藻のお暇

アラサー無職の日常

市原隼人さんと懐かしき京都 —―Amazon オリジナルドラマ『福家堂本舗』を見て――

 先週テレビで放送された、『殴り愛、炎』という2週連続のスペシャルドラマで、久しぶりに市原隼人さんの恋愛ドラマを見ました。私の1番好きな映画は市原隼人さんの恋愛映画ということもあり、好きな俳優さんの1人です。

 一方で、若い頃のイメージが強く、逞しく変化された市原さんの姿に、昔の面影が無くなってしまったように感じていました。そのような時に久しぶりに市原さんの演技を見て、若者らしい少し荒っぽいまっすぐさから、包容力を感じさせるどっしりとしたまっすぐさに変化されていたのだなと感じ、改めて市原さんの魅力に気づくことができました。

 市原さんの演技にまた惚れ直したのをきっかけに、他に今見られるドラマがないか探したところ、『福家堂本舗』というドラマを見つけました。私の記憶では、市原さんの恋愛ドラマはあまり数が多くないイメージだったので、貴重なドラマだと感じ、見てみることにしました。

 また、私自身大学時代を京都で過ごしたことも、このドラマに惹かれた理由の1つでした。コロナがなければ、2020年の夏に大学時代の友人たちと京都に集合して、川床で飲みたいねと話しており、その計画が延期になってから、ずっと京都に行きたい気持ちが募っていました。そういった京都という街への思い入れもあり、ドラマを見始めることにしました。

 

ドラマの概要

 Amazon オリジナルドラマ『福家堂本舗』は、遊知やよみ(ゆち・やよみ)さんの漫画が原作のドラマです。2016年(今から5年前)に、主演・早見あかりさん(元・ももいろクローバー)でドラマ化され、その恋の相手役として市原隼人さんが出演されています。京都の老舗和菓子屋が舞台で、美しい京都の風景とともに、家業と恋に迷い悩みながらも、一所懸命人生に向き合う人達が描かれます。

〈ドラマ予告〉

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 以下、ドラマの魅力について、3つのポイントからまとめてみたいと思います。

 

ドラマの魅力① 一生懸命に生きる登場人物達

 物語は、創業450年の老舗和菓子屋に生まれた三姉妹の次女・あられ(早見あかりさん)と、和菓子職人の健司(市原隼人さん)の恋愛模様を中心に描かれます。あられは老舗和菓子屋に生まれながら、長女の雛が跡取りとして若女将修行をしていたことから、家業から遠ざけられ、会社勤めをしていました。また、跡継ぎの長女・雛は次の女将になることと同時に、店の将来の担い手として期待される健司と結婚するよう、現女将である母に言いつけられていました。しかし、雛は家業を継ぐことが嫌で、別の男性と結婚し家を出ることに決めたため、あられが次の女将になり、健司と結婚するよう母から告げられました。

 あられにとって、跡継ぎになることと健司と結婚することは青天の霹靂でした。本当は大好きだった家業や健司から遠ざけられてきた過去から、跡継ぎになること、健司と結婚することを素直に受け止められず、迷い悩みます。

 姉のおさがりばかり与えられてきた人生や、歴史ある家業を継ぐ責任の重さ、健司への気持ちについて、悩み苦しみながらも、自分の人生をどう生きるか選択し進んでいくあられ。また、家を出ることを決めた雛や、あられと一緒になって家業を継ぐよう言われた健司も、あられと同様家業と自分の気持ちとの間で迷いながら、自分の気持ちに素直になって人生を選択していきます。そんな彼らの姿を見ると、誰かに決められるのではなく、自分で人生を選択して進んでいく覚悟の大切さを感じさせてくれます。

 また、Ms.OOJAさんのエンディングテーマが物語に花を添えてくれます。主人公達のつまづきながらもまっすぐ進んでいく姿や、主人公達を暖かく支える周囲の人達の姿と重なる素敵な楽曲で、物語の感動を増幅させます。“もがき苦しんでいるその姿が、誰かの励みになっている。”そんなことを登場人物達やMs.OOJAさんが教えてくれ、見ると元気になれる素敵なドラマです。

〈エンディング曲:Ms.OOJAさんの『You are Beautiful』〉

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ドラマの魅力② 美しい京都の風景

 京都を舞台にしているため、登場人物達と合わせて、歴史ある神社仏閣や趣きある街並みが映し出されます。撮影時期は、物語中盤で蝉の鳴き声が聞こえることから、初夏から撮影開始されたのではないかと思われ、木々の輝く緑が美しく映し出されます。

 私は京都に住んでいたこともあり、どのお寺か、どこの道かなど、場所を当てながらドラマを見るのもとても楽しかったです。特に、自分が行ったことのある場所で登場人物達の物語が展開していくのは、自分も同じ物語に参加してるような気持になれて、興奮した気持ちで見ていました。中でも、アルバイトとして働いていた場所で撮影されたシーンは特に興奮しました。私が卒業して京都を離れたのが2016年だったため、卒業があと1年遅かったら、撮影時にドラマ撮影を陰から見守ることができたのかもしれないと思うと、惜しい気持ちになりました。

 コロナ禍で旅行に行けない今、このドラマを見るだけで京都に行っている気持ちになれます。京都では今桜が満開か、場所によってはもう葉桜になっている頃かと思います。ドラマ内の季節に段々と近づいていき、より一層リアルな京都を感じられてきそうです。

〈1話で三姉妹がお参りする下鴨神社

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ドラマの魅力③ 美味しそうな和菓子

 和菓子屋が舞台なので、ドラマ内では数々の美味しそうな和菓子が登場します。生菓子や干菓子を職人達が丁寧に作り上げるシーンや、主人公のあられがお菓子をそれに合った器に乗せて、見た目と味を吟味するシーンなど、お菓子の美しさ・美味しさを画面越しに堪能することができます。

 中でも印象的なのは、健司があられをイメージして作った生菓子をあられに食べさせるシーンです。おはじきをモチーフにした羊羹で、あられは羊羹に合わせた青色の器に乗せてよく吟味し、半分に切って頬張ります。あられの顔が綻んだ様子から、お菓子の美味しさがよく伝わってきて、見ている私も食べてみたい気持ちになりました。

 その他のシーンでも、健司が小豆を炊くシーンがあり、丁寧なお菓子作りの過程から、すでにその美味しさが伝わってきます。お菓子に込められた気持ちを感じることで、より一層そのお菓子を特別に感じることができるのだと思いました。

 ドラマの和菓子の監修をされたのは、京都にある和菓子屋・末富さんで、創業は1893年と、今年で128年目の歴史ある和菓子屋さんです。私自身は京都にいる間、末富さんのお菓子を口にしたことはありませんでしたが、次に京都へ行った際は、お店に行って生菓子を食べてみたいと思いました。

〈ドラマに登場するお菓子を監修した末富さん〉

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 また、ドラマを見ながらどうしても生菓子が食べたくなったので、近所のお菓子屋さんへ行って買ってきました。残念ながら洋皿しかなく、趣きが半減してしまっていますが、繊細な舌ざわりと甘さがとても美味しかったです。今は桜を模した生菓子が店頭に並んでいましたが、季節が変わるごとにその季節にあった生菓子が並ぶと思うので、今後も食べるのを楽しんでいきたいと思います。

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季節の生菓子と冷やしほうじ茶

 

まとめ

 このドラマを見て、登場人物たちの傷つきながらも自分と向き合って進む姿に励まされ、改めて市原隼人さんという俳優さんの魅力に触れることができました。また、数々の懐かしい風景を見ることで、京都での大学生活を思い出し、とても懐かしくなりました。今は全国的にコロナの新規感染者数が増加しており、なかなか旅行へ行けませんが、京都で懐かしの場所を散策したり、友人と再会したりすることがとても楽しみです。現地には行けませんが、ガイドブックやネットで京都の情報を見て楽しみながら、行きたい場所をリストアップして、このコロナ禍を楽しみたいと思います。皆さんもご興味があればぜひご覧になってください。

 以上、ここまで読んで頂きありがとうございました。(*^^*)